このページでは椎間板ヘルニアについて分かりやすいように一部簡略して記載しています。
施術者、セラピスト向けではないことをご了承ください。
・椎間板は背骨と背骨の間にあるクッションのことを指します。
・椎間板の後方には神経が通っています。
・上図の椎間板が何かしらの原因で、後ろ(背中側)に膨らむ・飛び出した結果をヘルニアと呼称します。
・ヘルニアにより神経を圧迫、もしくは圧迫刺激で起こった炎症が原因となり症状が出現します。
椎間板が後ろ(背中側)に飛び出てしまう二つの条件①
一つは、椎間板には弾力があり、姿勢や運動に伴って形を変えることが出来ます。
形を変えることで圧力の分散を行う良い働きをしています。
しかし、図のように
①前かがみの姿勢になると圧力が前(腹側)に集中し
②椎間板は後方に押しやられる形で飛び出そうとします。
ハンバーガーを食べる時に、かじった反対方向に具材が出てしまうのと同じ仕組みです。
「前かがみの姿勢」が一つの理由です。
椎間板が後方に飛び出てしまう二つの条件②
もう一つは、椎間板にかかる圧力が大きいほど、中にある椎間板を強く押し出す力が働きます。
これもハンバーガーを食べる時に、歯でかじるのではなく圧をかけて押しつぶすように食べてしまうと、より具材が飛び出てしまうのと同じです。
では椎間板に対して、どういう時に圧力が加わりやすいのか?を、まとめたものが下の図です。
①『立つ』よりも『座る』姿勢の方が圧力が大きい。
②『まっすぐ』よりも『お辞儀』姿勢の方が圧力が大きいことが分かります。
(まっすぐ立つを基準100としています)
まとめると、椎間板が強く後方に飛び出そうとする二つの条件を満たすのは、『座った姿勢+前かがみ』になります。
『座った姿勢+前かがみ』
不良姿勢での長時間のデスクワークがまさに当てはまります。
座った方が腰に優しい印象がありますが、椎間板に対してはそうではないことが分かります。
原因から見えてくる治療方法
治療の考え方は非常にシンプルです。
後方に飛び出そうとしている椎間板を『運動によって前方に戻す力を加える』です。
実際の流れ
ヘルニアと診断をされていても、別の症状の場合がありますので問診・お身体の検査を行います。
ヘルニアの疑いがある場合は、検査として運動を行い、症状の変化があるかを確認します。
・この運動で良い変化があれば、そのまま運動療法として施術に移行します。
・変化が無ければ、運動で変化が出ないという検査結果になり、後述する「症状に変化が無かった時」へ移行します。
その場で症状が無くなるほど効果があれば、鍼や整体をする必要はなく、運動を自宅で継続していただくことになります。
症状に変化が無かった時
先に記載したように、すべてのケースが運動だけで解決することはありません。
運動で変化がなかったという情報も検査の一部として考え、検査・施術の続きを行っていきます。
整体・鍼灸を用いて、症状の改善を目指していくことも視野に入れていきます。
当院では診れないヘルニア
椎間板ヘルニアは4つに分類されます。
①椎間板が押し出されようとして後方へ膨らむ
②椎間板が入っている袋を突き破ってさらに後方へ膨らむ
③椎間板が入っている袋を突き破り、さらに後ろにある靭帯も破り飛び出す
④飛び出したものが分離してしまっている
運動療法・鍼灸治療で効果が期待できるものは①、②までだと考えています。
③と④は飛び出した物が、身体の反応で自然と吸収されて無くなることもあるようですが、
・鍼灸治療をしても、吸収されやすくなる等は期待できない
・運動によって戻すことは期待できない
と考えておりますので当院では診れないものとしております。
※問診の結果、施術まで移行せずに病院の受診をお願いする場合があります。
ヘルニア単独への施術方法は単純ですが
ヘルニアと別の何かを含んでいる場合が多く、ケースバイケースですので、
まずは細かくお話を伺うことが大切になりますので、よろしくお願い致します。